『春のオルガン』 湯本香樹実
小学校を卒業した春休み、私は弟のテツと川原に放置されたバスで眠った―。大人たちのトラブル、自分もまた子供から大人に変わってゆくことへの戸惑いの中で、トモミは少しずつまだ見ぬ世界に足を踏み出してゆく。ガラクタ、野良猫たち、雷の音…ばらばらだったすべてが、いつかひとつでも欠けてはならないものになっていた。
小学生でもない、中学生でもない、中途半端な時期。少女は自分が怪物になった夢をよく見ます。自分を取り巻く様々な出来事、自分がどうしたいのかもよくわからない。苛立ちに反発することもあります。どうしようもないことを受け入れていく。子供から大人への階段を上っていく情緒不安定な様子を巧く表現しています。ラストの急展開にはちょっと戸惑いを感じましたが、心温まる物語でした。










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